2024年度 講義内容
聖書学 ▶歴史・思想・文化 ▶原典講読 ▶言語 ▶ゼミ ▶関西
A. 古代イスラエル王国成立をめぐって 月本 昭男 (経堂聖書会・立教大学名誉教授・上智大学名誉教授) | |
古代イスラエル社会が部族連合時代から王国へと移行する経緯を物語るサムエル記(上)20章までを学んでみましょう。 ペリシテ、アンモン、アマレクなどとの対外戦争が語られますが、そこに人間模様も指し挟まれ、歴史物語を編んだ信仰者たちの人間観察を知ることができます。 ただし、はじめの2回は2024年度に学びきれなかった士師記の後半、サムソン物語(士師記13-16章)と王国成立を必然とみる部族時代の混乱の模様(17-21章)を取り上げます。 1 怪力サムソンの悲劇(士師記13-16章) 2 部族連合時代の混乱(士師記17-21章) 3 サムエルとシロの聖所(サムエル記上1-3章) 4 「神の箱」をめぐって(サムエル記上4-7章) 5 サウル即位と王制評価(サムエル記上8-11章) 6 サムエルとサウルの功罪(サムエル記上12-15章) 7 ダビデ台頭とサウルの嫉妬(サムエル記上16-18章) 8 ダビデとヨナタンの友情(サムエル記上19-20章) | |
配信方法:オンデマンド配信 | CD提供講座 |
使用テキスト(各自ご用意ください) 特に設けません。聖書をご用意ください。 参考図書(必須ではありません): 講座のなかで必要に応じてご紹介します。 |
B. モーセ五書の思想について 金井 美彦 (日本基督教団 砧教会牧師、立教大学・フェリス女学院・聖公会神学院・日本聖書神学校 講師) | |
昨年度に引き続き、五書の思想について考察します。当初の予定では8回で五書全体を見通すつもりでしたが、創世記と出エジプト記で終わってしまいました。そこで今年度は出エジプト記の金の子牛事件の伝承から始めて残りの三つの書を扱うことにします。問題意識は昨年とほぼ同じですが、世界史(否、今や地球史と呼ぶべきかも)の変動が激しく、問い自体の修正が必要な局面に来ているかもしれません。念のため、昨年度の講義概要の一部を掲げておきたいと思います。
「(前略)……こうした錯綜した〔五書の〕成立過程をたどる際、注視すべきは背後の歴史である。その際重要なのは、書かれている出来事の背景だけでなく、これを最終的に文書化した人々の歴史的背景である。さらに加えれば、政治史に偏らず、広く文化・文明史、人類史的視点に立った歴史を意識することである。 以上のように書きました。 昨今の国家主義的、否、ファシズムへの回帰と思われる現象を意識しながら、民数記と申命記に見られる粛清と殲滅の思想を検証し、改めて今を生きる私たちにとって聖書思想の可能性とは何かを考えます。 1 偶像崇拝の問題 出エジプト記32章―34章 2 犠牲を求めるヤハウェ レビ記の思想(1) 3 犠牲を求めるヤハウェ レビ記の思想(2) 4 ヤハウェの妬み 粛清の思想 民数記(1) 5 ヤハウェの妬み 約束の地への侵入への準備(2) 6 歴史の回顧と展望 申命記(1) 7 唯一の神への信 申命記(2) 8 カナン征服の意味 申命記の思想(3) | |
配信方法:オンデマンド配信 | CD提供講座 |
使用テキスト(各自ご用意ください) 聖書(訳は問いません) 参考文献(必須ではありません): K・シュミート『旧約聖書文学史序説』教文館、2013年,『旧約聖書神学』教文館、2023年 関根正雄『聖書の信仰と思想』教文館、1996年 W・ツィンマリ『旧約聖書神学綱要』日本基督教団出版局、2000年 G・フォンラート『旧約聖書神学』日本基督教団出版局、1980年,『旧約聖書神学Ⅱ』日本基督教団出版局、1982年 山我哲雄『海の奇跡 モーセ五書論集』聖公会出版、2012年,『一神教の起源』筑摩書房、2013年,『旧約聖書における自然・歴史・王権』教文館、2022年 M・ヨアシュタッド『旧約聖書と環境倫理』教文館、2023年 等 注解書類については講義内で提示します。 |
C.イエスと初期キリスト教の奇跡 廣石 望 (日本基督教団 代々木上原教会担任教師・立教大学文学部教授) | |
昨年度は1年間お休みしましたが、2023年度に引き続きイエスの奇跡を扱います。 イエスは「神の王国」の到来を宣教するために、譬えによる語りや交わりの食卓の実践と並んで、さまざまな奇跡行為を用いました。しかし近代以降、奇跡は端的に「ありえない」ものとされ、聖書研究はその扱いに苦労してきました。 福音書に保存されたイエスの奇跡には、悪霊祓い、治癒奇跡、安息日規定にまつわる規範奇跡など比較的に史実性が高いとされるものと並んで、自然の脅威から人々を守る救出奇跡、物質的な欠乏を克服する贈与奇跡、そして顕現奇跡など、復活信仰を踏まえた原始キリスト教の影響の色濃いものが伝えられています。 使徒行伝を含む外典資料にまで目を広げれば、奇跡はイエスから最初期キリスト教に至るまで一貫して証言されている伝承様式であり、「現実とは何か」を私たちに問いかけます。 本講では、イエスの奇跡と並んで、使徒たちによる奇跡をとり上げて論じます。 | |
配信方法:オンデマンド配信 | CD提供講座 |
使用テキスト レジュメを配布します。 参考図書 荒井献『著作集1 イエス その言葉と業』岩波書店 2001年 337-442頁「奇跡物語」 エリザベス・S.フィオレンザ(編著)『初期キリスト教の奇跡と宣教』出村みや子訳 ヨルダン社 1986年 大貫隆『福音書と文学社会学』岩波書店 1991年 267頁以下「ヨハネ福音書における〈しるし資料〉」 295頁以下「奇跡物語の〈素材探し〉と〈意味探し〉」、同『イエスという経験』岩波書店 2003年 151頁以下「癒しと悪霊祓い ― 奇跡物語の成立と伝承」 |
Ⅾ. ヨハネ福音書の思想と信仰(2) 三浦 望 (聖心会会員、Boston College, Department of Theology (research fellow)) | |
ヨハネ福音書(およびヨハネの手紙)について、その思想と神学をテーマごとに解説してゆきたいと思います。 ヨハネ神学のすべてを網羅することはとてもできませんが、重要なテーマを取り上げて考察してゆきたいと思います。ただし、下記の講義予定は順番や内容が変更になる可能性がありますので、その点をご了承ください。 なお、講義は2024年度 ヨハネ福音書の思想と信仰(1)を前提にしますが、重要かつ必要と考えられる主題については、あらためて説明したうえで進めてゆきます。 1 ヨハネ神学の特徴、思想的背景(前年度の復習を含む) 2 過去と現在―ヨハネ福音書と旧約聖書 3 ギリシア世界におけるヨハネ福音書 4 ヨハネ福音書とグノーシス主義 5 ヨハネ福音書における「倫理」 6 ヨハネ福音書の受容史、正典との関わり 7 新しい方法論による読み―「周辺」からの視点(ポスト・コロニアル、他) 8 まとめと展望 | |
配信方法:オンデマンド配信 | CD提供講座 |
使用テキスト(各自ご用意ください) 特に教科書はございません。 ただし、新約聖書(どちらの翻訳でも結構です)は必要となります。 参考文献(必須ではありません): 各テーマごとにお知らせいたします。(英語の参考文献が含まれると思います。) |
歴史・思想・文化
E. ハンス・キュンクの生涯と思想~異端審問から世界航海へ 福嶋 揚 (神学博士、東京大学大学院 死生学・応用倫理センター研究員) | |
「イエス・キリストの後に従いながら、ひとは今日の世界で、真に人間らしく生きて、行動して、苦しんで、死んでいくことができる。幸福な時も、不幸な時も、生きる時も、死ぬ時も、神に抱かれて、人々をおおいに助けながら。」 これはハンス・キュンク(Hans Küng 1928~2021)のモットーである。 キュンクは最も世界的な規模で活動した神学者である。彼の驚異的な創造力は単著だけで数十冊、数万ページとなって結実し、世界各地から数多くの博士号や賞を贈られてきた。キュンクは絶えざる迫害や弾圧に屈することなく、カトリック教会の変革を試み続け、しかもカトリック教会に終生とどまり続けた。またカトリック神学の教授職を剥奪されたことを生涯最大の転機として、キリスト教以外の世界の諸宗教や諸文化と、前人未踏の規模と深さの対話交流を切り開いていった。 本講座は、キュンクの波乱万丈の生涯と壮大な思想展開を辿る。それはキュンク一個人の伝記にとどまらず、カトリック教会史、現代キリスト教史、宗教史、ひいては世界史を展望する、またとない素晴らしい機会である。 1 故郷スイスでの原体験~ファシズムとカトリシズム 2 ローマでの哲学的・神学的な原点 3 バルトとの対話を通して教会改革へ 4 第二ヴァチカン公会議の光と影 5 教皇の無謬性に対する批判と異端審問 6 宗教間対話~世界エートス計画 7 世界政治、世界経済との対話 8 晩年の集大成 | |
配信方法:オンデマンド配信 | CD提供講座 |
参考文献(必須ではありません): ハンス・キュンク『イエス』、福嶋揚訳、ヘウレーカ図書出版。同『キリスト教』、福田誠二訳、教文館。 福嶋揚『カール・バルト 破局のなかの希望』、ぷねうま舎。 |
F. ギリシア古典文学と聖書 -パイデイア、<教える-学ぶ>、<師-弟子>、真理の探究 瀧 章次 (元城西国際大学国際人文学部教授, 日本基督教団霊南坂教会教会員, 青山学院大学 国際基督教大学 城西国際大学非常勤講師) | |
前年度に続いて、ギリシア古典文学と聖書との双方のテクスト自身に内在する時代を超えたアクチュアリティを通して現代的課題に応えて行きたい。 今期は、「学習権」(教育を受ける権利)、「人格の完成」(教育基本法)等の前提となる近代の教育観を踏まえた上で、「学ぶ-教える」、「先生-生徒」、「師-弟」という相互関係について、人格的出遭い含めて、その本質的課題を考察する。ソクラテスとイエスの生き方を焦点として、ギリシア語μαθητής( 「学徒」、「(イエスの)弟子」、「キリスト教者」)(μανθάνω 「分かる」、「学ぶ」の派生名詞))の語義変遷含め、歴史的問題を考察することから始め、その前提となる人間観、教育観、真理観を批判的に考察する。 このことを通して、この21世紀の世界に生きるわれわれ自身の生き方、特に、真理探究の課題を問うて行きたい。 1 比較教育史:古代ギリシア古典期ポリス(アテネ、スパルタ)とイエスの時代の教育 2 ホメーロスと律法 3 ソフィスト、弁論家の教育とユダヤ教の教師による教育 4 ギリシア哲学学派とパウロ、使徒らの言語活動 5 ソクラテスとイエスの各々における「教え」 6 ソクラテスとイエスの各々における「争論・対話」 7 ソクラテスのミュートスとイエスの「たとえ話」 8 ソクラテスとイエスの各々における人格的出遭い | |
配信方法:オンデマンド配信 | CD提供講座 |
使用テキスト 資料はその都度事前に配布する。 参考文献(必須ではありません): Barrett, C.K. 1994-1998 The Acts of the Apostles, 2 vols., Edinburgh. Department of States, United States of America 1946 Report of the United States of America Education Mission to Japan. Dunn, J.D.G. 1992 Jesus’ Call to Discipleship, Cambridge University Press. 廣川洋一 1980 『プラトンの学園 アカデメイア』 岩波書店 廣川洋一 1984 『イソクラテスの修辞学校-西欧的教養の源泉-』 岩波書店 出隆 訳 1959 アリストテレス著 『形而上学』 岩波書店 Jeremias, J. 1947 Die Gleichnisse Jesu, Göttingen. 上智大学中世思想研究所編集 1974 『ギリシア・ローマの教育思想』(教育思想史 第1巻)東洋館 加来彰俊 訳 1994 ディオゲネス・ラエルティオス著 『ギリシア哲学者列伝』 3巻 岩波書店 北嶋美雪 訳 1975 『テアゲス』 『プラトン全集』 第7巻、岩波書店 所収 小池澄夫 訳 2002 イソクラテス 『弁論集 2』 京都大学学術出版会 コンドルセ他著 阪上孝編訳 『フランス革命期の公教育論』 岩波書店 松本仁助 訳 2004 クセノポン 『キュロスの教育』 京都大学学術出版会 同訳 2000 クセノポン 『小品集』 京都大学学術出版会 三嶋輝夫 訳 2017 プラトン『アルキビアデス クレイトポン』 講談社 同訳 1997 プラトン『ラケス』 講談社 同訳 1998 クセノポン『ソクラテスの弁明』 三嶋輝夫、田中享英訳 プラトン『ソクラテスの弁明 クリトン』 講談社所収 納富信留 訳 2012 プラトン『ソクラテスの弁明』 光文社 同訳 2014 アリストテレス 『ソフィスト的論駁』 『新版 アリストテレス全集』 第3巻 岩波書店 所収 Perkins, P. 2010 Jesus as Teacher, Cambridge University Press. 髙橋久一郎 訳 2014 『分析論後書』 『新版 アリストテレス全集』 第2巻 岩波書店所収 内山勝利 訳 2011 クセノポン『ソクラテス言行録 1』 京都大学学術出版会 山口義久 訳2014 アリストテレス 『トポス論』 『新版 アリストテレス全集』 第3巻 岩波書店 所収 以下、講義関連資料: Bowie, E. 2000 ‘Literature and sophistic’, in: Bowman, A.K., Garnsey, P., Rathbone, D. (edd.) The Cambridge Ancient History, Cambridge: 898-921. Calame, C. 2009 ‘Coming of Age, Peer Groups, and Rites of Passage’, Boys-Stones, G., Graziosi, B. and Vasunia, P. (edd.) 2009 The Oxford Handbook of Hellenic Studies, Oxford: 281-293. Cameron A. 1997 ‘Education and literary culture’, in: Cameron A, Garnsey P, (edd.) The Cambridge Ancient History, Cambridge: 665-707. Connolly, J. 2009 ‘The politics of rhetorical education’, in: Gunderson, E. (ed.) 2009 The Cambridge Companion to Ancient Rhetoric, Cambridge:126-142. Destrée, P. 2013 ‘Education, leisure, and politics’, in: Deslauriers, M., Destrée, P. (edd.) The Cambridge Companion to Aristotle’s Politics, Cambridge: 301-323. Flower, M.A. (ed.) 2016 The Cambridge Companion to Xenophon, Cambridge. Jaeger, W. 1936-1959 Paideia: Die Formung des griecischen Menschen, 3 Bd., Berlin und Leipzig. Id.; Highet, G. (tr.) 1965-1986 Paideia: The Ideals of Greek Culture, 3 vols., Oxford. Joyal, Mark 2019 ‘Education in Greek and Roman Antiquity’, in: Rury, J.L. and Tamura, E.H. (edd.) 2019 The Oxford Handbook of the History of Education, Oxford: 82-97. Kittel, G.; Bromiley, G.W. (tr.) 1968 Theological Dictionary of the New Testament, Grand Rapids, MI, s.v. μανθάνω ... μαθητής ... Ibid., s.v. διδάσκω, διδάσκαλος ... Ibid., s.v. διαλέγομαι, διαλόγιζομαι, διαλογισμός Ibid., s.v. ζητέω, ζήτησις ... Lodge, R.C. 1947 Plato’s Theory of Education, New York. Marrou, H.-I.; Lamb, G. (tr.) 1956 A History of Education in Antiquity, Madison, WS. Id. 1981 ‘Education and Rhetoric’, in: Finlay, M. (ed.) 1981 The Legacy of Greece, Oxford: 185-201. Ahbel-Rappe, S. and Kamtekar (edd.) 2006 A Companion to Socrates, Malden, Mass: 476-492. Mintz, Avi I. 2021 A History of Western Philosophy of Education in Antiquity, Bloomsbury Publishing. Morrow, G.R. 1960 ‘Education’, in: id. Plato’s Cretan City: A Historical Interpretation of Laws, Princeton, NJ: 297-398. Munn, M. (2023) ‘The Sophists between Aristocracy and Democracy.’ in: Billings, J., Moore, C. (edd.) The Cambridge Companion to the Sophists, Cambridge: 69-97. Pritchard, D.M. 2021 ‘Athletics, Democracy, and War.’ in: Neils, J., Rogers, D.K. (edd.) The Cambridge Companion to Ancient Athens, Cambridge: 307-318. Schuppe, E. 1942 ‘Paidagogos’, Wissowa, G. (hrsg.) 1942 Paulys Real-Enzyklopädie der klassischen Altertumswissenschaft, Stuttgart, Bd. 18-2. Schürer, E. (Vermes, G.; Millar, F.; Black, M. (rev. and ed.)) 1979 The History of the Jewish People in the Age of Jesus Christ (175 B.C.-A.D. 135), 4 vols., Edinburgh. Scolnicov, S. 1988 Plato’s Metaphysics of Education, London and New York. Stenzel, J. 1928 Platon der Erzieher, Leipzig. Browning R. 2001 ‘Education in the Roman Empire’, in: Cameron A, Ward-Perkins B, Whitby M, eds. The Cambridge Ancient History, Cambridge: 855-883. Young, F., Casiday, A. 2004 ‘Christian teaching’, in: Young, F, Ayres, L, Louth, A, (edd.) The Cambridge History of Early Christian Literature, Cambridge: 464-484. |
G. J・S・バッハの「教会カンタータ」を聴く 川中子 義勝 (東京大学名誉教授, ㈳法人日本詩人クラブ顧問・月刊「詩と思想」編集長・埼玉詩人会会長) | |
J・S・バッハの「教会カンタータ」から、いくつかの作品を選んで学び、鑑賞します。 その台本テクストと音楽の関係について、また演奏された聖日の当該説教箇所と音楽との関係について扱います。 バッハの音楽がいかに言葉を大切にし、その意味を深く読みとるところから構想され、創作されていることを跡づけていきます。そのようにして、曲を聴く楽しみがより深まることを願っています。 今年は、過去二年のあいだに扱えなかった曲、そのなかでも比較的よく知られている曲を扱う予定です。 全8回の予定表は、初回に配布いたします。 | |
対面講義 | |
使用テキスト 毎回、プリントを配布します。テクストはドイツ語ですが、対訳を添えます。 参考図書:適切と思われる際には、そのつど指示します。 |
原典講読
H. 旧約聖書原典講読 月本 昭男 (経堂聖書会・立教大学名誉教授・上智大学名誉教授) | |
2024年度に引き続き、創世記のアブラハム物語を読み進めます。今年度は創世記16章1節から読みはじめます。 聖書ヘブライ語文法を復習しながら、毎回10節前後をめどに読み進めます。 目標は、 ① 現行邦訳聖書間にみられる訳文の違いの理由を理解できるようになること ② 翻訳聖書に反映することが難しい、原典ならではの意味合いを読み取ること です。ご自身の翻訳ができれば、さらなる飛躍になりましょう。 なお、ヘブライ文字さえ習得していただければ、誰でもご参加いただけます。 | |
配信方法:ライブ配信 | CD提供講座 |
使用テキスト(各自ご用意ください) Biblia Hebraica StuttgartensiaのGenesis(分冊もあります)をご用意ください。 Biblia Hebraica QuintaのGenesisでも結構です。 参考図書(必須ではありません): 聖書ヘブライ語の文法書として次の2点を紹介します。 小脇光男『聖書ヘブライ語文法 改訂版』(青山社、2021年、3080円) ハインツ・クルーゼ『旧約聖書ヘブライ語文法書』(キリスト新聞社、2016年、3300円) 詳しい文法書としては次の2点のどちらかをお勧めします。 Gesenius’ Hebrew Grammar, Dover Publications, 2006. P. Joüon / T. Muraoka, A Grammar of Biblical Hebrew, 2006. |
I. 新約聖書原典講読 吉田 忍 (明治学院大学専任講師) | |
新約聖書を原文で読み進めます。 必要に応じて文法事項の確認を行います。 今年度は、引き続き「フィリピの信徒への手紙」を読みます。 2025年度は、「フィリピの信徒への手紙2章25節」から始めます。 | |
配信方法:ライブ配信 | CD提供講座 |
使用テキスト(各自ご用意ください) Nestle-Aland, Novum Testamentum Graece, 28. revidierte Aufl. Stuttgart 2012 ※受講生にはコピーをお渡しします。 参考図書(必須ではありません): 佐竹明『ピリピ人への手紙』新教出版社、1969年 山内真『ピリピ人への手紙』日本基督教団出版局、1987年 |
言語(通信講座)
J. ヘブライ語通信講座 宮崎 修二 (立教大学等兼任講師) | |
文字、発音から少しずつヘブライ語初級文法を学んでいきます。 素読、あるいは、それに代わる機能のある方法をお勧めしつつ、聖書そのものの文章にできるだけ多く触れながら進めていきます。ご要望があれば、音声のファイルなども利用します。 受講者それぞれのご要望に対応して、進度をゆっくりにしたり、はやくしたりできると思いますが、年間の講座後半には独自に聖書をヘブライ語で読むことができるレベルを目指します。 ・文字と発音 ・名詞と冠詞 ・形容詞 ・連語形 ・語根について ・動詞 完了形 未完了形 分詞 ・動詞のバリエーション | |
講座形態:通信講座 郵便による通信添削指導を行います。 ※受講開始時に、学習要領をお送りします。 |
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教科書 小脇光男『聖書ヘブライ語文法 改訂版』青山社 ※教科書は、各自購入してください。 |
K. ギリシア語通信講座 吉田 忍 (明治学院大学専任講師) | |
新約聖書ギリシア語の初級文法と基本語彙の習得を目指します(全18回)。 第1回 文字と発音、アクセント 第2回 直説法能動相現在・第一変化名詞・格の意味 第3回 第二変化名詞、第一・二変化形容詞、定冠詞、εἰμί 第4回 第3変化名詞/ 形容詞、人称代名詞、指示代名詞、強意代名詞、前置詞 第5回 πᾶς、直説法中・受動相現在 第6回 母音融合動詞、直説法能動相・中動相未来、εἰμίの未来 第7回 直説法能・中・受動相未完了過去、εἰμίの未完了過去、否定詞、否定疑問文 第8回 直説法能・中動相第一・二アオリスト 第9回 直説法受動相アオリスト・未来、比較 第10回 直説法能・中・受動相現在完了(過去完了) 第11回 能・中・受動相現在分詞、能・中動相未来分詞、εἰμίの現在・未来分詞、分詞の用法(1) 第12回 能・中・受アオリスト分詞、受動相未来分詞、分詞の用法(1続き) 第13回 能・中・受動相現在完了分詞、分詞の用法(1続き) 第14回 分詞の用法(2) 第15回 接続法 第16回 条件文、不定詞 第17回 関係代名詞・不定関係代名詞、命令法 第18回 μι動詞 | |
講座形態:通信講座 郵便による通信添削指導を行います。 ※受講開始時に、学習要領をお送りします。 |
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教科書 大貫隆『新約聖書ギリシア語入門』岩波書店 2004年 ※教科書は、各自購入してください。 |
ゼミ形式
ゼミ.内村鑑三を読もう 世話人 宮﨑 文彦 (無教会自由が丘集会・千葉大学特任研究員) 鷲見 誠一 (無教会新宿集会・慶応義塾大学名誉教授) | |
これまで内村鑑三の著作を読んできたゼミ「内村鑑三を読もう」であるが、今年は出版されて間もない鈴木範久著『内村鑑三問答』を読み、内村の生涯と思想について学ぶ。 輪読ではあるが、担当者を決めることなく、毎回のはじめに一緒に担当の箇所を読み、その後、参加者間で感想を述べあう。 内村の考えを知ることとともに、現代に生きる私たちの日々の生活との関係についても考えたい。 教会・無教会の所属、信者かそうではないかに関係なく、様々な方々に気軽にご参加いただきたい。 1 一 東北か西南か 17 二 クラークに会ったか 28 三 進化論をどう理解したか 33 四 最初の結婚はなぜ破綻したのか 40 2 五 新渡戸稲造は親友だったか 47 六 新島襄から離れたわけは 55 七 宣教師は嫌いか 60 3 八 「不敬事件」はなぜ大騒ぎになったか 70 九 天皇をどうみたか 89 4 一〇 無教会主義は教会の否定か 94 一一 好きな日本人牧師はいたか 100 一二 バプテスマ(洗礼)をおこなったか 110 5 一三 他教徒との交流はあったか 115 一四 戦争はすべて否定したか 128 一五 人生相談に応じたか 135 6 一六 なぜ学校を創立しなかったか 142 一七 『羅馬書の研究』はだれの著作か 151 一八 桜の花に何を思ったか 157 一九 福祉施設で働いた経験は活かされたか 163 7 二〇 文学者たちは背教したのか 169 二一 一生貧しかったか 177 二二 商売をしたら成功したか 188 8 二三 ユーモアを解したか 202 二四 最期は自然死で迎えたか 208 | |
配信方法:ライブ配信 ※ゼミは、Zoomミーティングによるライブ配信で行います。 今年度は。今井館での会場参加も可能です。 |
参加費
毎回300円 (お支払方法は、開催時にお知らせします) |
使用テキスト(各自ご用意ください) 鈴木範久著『内村鑑三問答』 本体価格:2,700円(10%税込定価:2,970円) ISBN:978-4-400-21341-3 C1016 発行年月:2024/07/05 |
関西で開催される講座のご紹介
旧約聖書ヘブライ語学習会 主催 木幡 藤子 (大阪聖書研究会・広島大学名誉教授) | |
ひき続き 「イザヤ書」 を読みます。 | |
開催日 毎月 第1・第3水曜日、10時開始 ただし7月半ばから9月半ばまで休み 受講料 250円/回 教科書 事前に入手すべき教科書・参考書は、特にありません。 詳しい文法書である P.Joueon-T.Muraoka, A Grammar of Biblical Hebrewを必要 に応じて参照します。 その日の個所に関係する部分を抜き書きしたものを、できるだけ部分訳を付けて 前もってメールで送付します。 学習方法 Skype使用によるオンラインで行います。 Skypeが使用できるよう、できるだけ各自で準備してください。 なお、オンライン学習会は録画し、30日間それを視聴することができます。 問い合わせ・受講申し込みは fkohata@jewel.ocn.ne.jp(木幡(こはた))にご連絡ください。 |
新約聖書ギリシア語学習会 主催 香西 信 (岡山聖書集会主宰・京都大学大学院博士課程認定退学) | |
前年度に引き続き、「ガラテヤの信徒へ手紙」を読みます。 佐竹明『ガラテヤ人への手紙』新教出版社、2008年、川島重成『原典講読ガラテヤ人への手紙』キリスト教夜間講座、1973年を参照し、丁寧に読み進めます。 | |
開催日 毎月 第1・第3水曜日、13時開始 ただし7月半ばから9月半ばまで休み 受講料 250円/回 教科書 大貫隆『新約聖書ギリシア語入門』岩波書店を参考書として使いますので、予め購入 しておいてください。 学習方法 Skype使用によるオンラインで行います。。 Skypeが使用できるよう、できるだけ各自で準備してください。 なお、オンライン学習会は録画し、30日間それを視聴することができます。 問い合わせ・受講申し込みは shinkozai@gmail.com(香西(こうざい))にご連絡ください。 |