無教会研修所


2026年度 講義内容

聖書学  ▶歴史・思想・文化  ▶原典講読  ▶言語  ▶ゼミ  ▶関西

 A. ダビデ王朝成立とその後 月本 昭男 (経堂聖書会、立教大学・上智大学名誉教授)
昨年度に続きサムエル記を取り上げます。
頭角を現すダビデを亡き者としようとするサウルの追跡とダビデの逃避行から、ダビデ王朝成立と王宮における恥ずべき諸事件、そしてアブシャロムの反乱とその後までを学んでゆきましょう。そこには、さまざまな人間模様が描き出され、古代の文学作品を思わせる面白さがありますが、物語を伝えた古代イスラエルの信仰者たちの人間理解もそこに埋め込まれています。また古代イスラエル史の一面をうかがうことができましょう。

 1 ダビデの逃避行(前篇)(サムエル記上21-25章)
 2 ダビデの逃避行(後篇)(サムエル記上26-30章)
 3 サウルの死、ユダ王ダビデ(サムエル記上31-下4章)
 4 ダビデ統一王朝成立とナタン預言(サムエル記下5-9章)
 5 バトシェバ事件をめぐって(サムエル記下10-12章)
 6 アムノン、タマル、アブシャロム(サムエル記下13-14章)
 7 アブシャロムの反乱(サムエル記下15-18章)
 8 ダビデの詩(サムエル記下19-23章)
   
配信方法:オンデマンド配信 CD提供講座
使用テキスト(各自ご用意ください)
 特に設けません。聖書をご用意ください。

参考図書(必須ではありません):
講義のなかで必要に応じてご紹介します。

 B. 12小預言書を読む 金井 美彦
          (日本基督教団 砧教会牧師、立教大学・フェリス女学院・聖公会神学院・日本聖書神学校 講師)
今年度は12小預言書を取り上げることにしました。ただし、時間的制約もあるため、主にアッシリア時代の預言者(アモス、ホセア、ミカ)をみてゆくことになるでしょう。この時代の預言者のうち最大の人物はイザヤですので、彼の預言についても多少言及することになります。

アッシリア時代の預言者の活動は、世界帝国の先駆けともいわれるアッシリア帝国の圧倒的な権力拡大と深く関連していると見られます。その後の預言者たちの活動も、新バビロン帝国の台頭から、古代オリエントにおける世界帝国の完成形としてのアケメネス朝ペルシアの支配に至る歴史と深くかかわっています。

本講義では、まず預言書を残した預言者本人の預言とその時代の関わり、そしてその預言を伝えた人々によって拡大ないし付加された言葉とその背景、最終編集を行った人々の預言理解を検討します。そのうえで、こうした古代の預言書を現代の私たちが読むことにどんな意義があるかを考えてゆきたいと思います。

 
配信方法:オンデマンド配信 CD提供講座
使用テキスト(各自ご用意ください)
 特に設けません。聖書をご用意ください。
       
参考文献(必須ではありません):
講義のなかで必要に応じてご紹介します。

 C.イエスの受難物語の歴史と神学 廣石 望
                        (日本基督教団 代々木上原教会担任教師、上智大学神学部教授)
新約聖書の福音書に伝えられた受難物語は、イエスについて最初期キリスト教が記憶した特別な領域に属します。

そこにはイエスの最後の日々の経験、弟子たちの裏切りの体験、そして復活信仰を経てイエスの刑死に神の意志を読みとった共同体の省察が重なり合っています。背景には、ローマ帝国によるユダヤ地域に対する法的かつ軍事的支配があります。

受難物語の背後にある歴史と、その神学的解釈の諸相を探求してみましょう。

配信方法:オンデマンド配信 CD提供講座
使用テキスト(各自ご用意ください)
 『新約聖書』(協会共同訳、岩波版などどれでもいいです)
参考図書
J.D.クロッサン/M.J.ボーグ(浅野淳博訳)『イエス最後の一週間ーマルコ福音書による受難物語』教文館、2008年。
E.トロクメ(加藤隆訳)『受難物語の起源(聖書の研究シリーズ)』教文館、1998年。
R. E. Brown, The Death of the Messiah : from Gethsemane to the Grave: a Commentary on the Passion Narratives in the Four Gospels (The Anchor Bible reference library), New York: Doubleday, 1994.
M. Theobald, Der Prozess Jesu. Geschichte und Theologie der Passionerzählungen (WUNT 486), Tübingen:Mohr, 2022.  
 

 Ⅾ. ローマ書を読む 田中 健三 (上智大学神学部講師)
「ローマの信徒への手紙」を読んでいく。
聖書学の動向を紹介しながら、1章から順次進めるが、各章の中からある程度トピックを絞っていくこととなる。
ローマ書の論理の背景としてのパウロの体験を考慮しながら、パウロの意図を探っていく。

 1 パウロ研究の近年の動向
 2 アンティオキア事件からガラテヤ問題へ
 3 ガラテヤ書からローマ書へ
 4 ローマ書第1章
 5 ローマ書第2章
 6 ローマ書第3章(1)
 7 ローマ書第3章(2)
 8 ローマ書第4章

配信方法:オンデマンド配信 CD提供講座
使用テキスト(各自ご用意ください)
 聖書(原則としてどの訳でも構いません)。
参考文献(必須ではありません):
内村鑑三「羅馬書の研究」(岩波書店版内村鑑三全集第26巻所収)。
エルンスト・ケーゼマン『ローマ人への手紙』岩本修一訳。
高橋三郎「ロマ書講義」(高橋三郎著作集第6巻所収)。
パウル・アルトハウス『ローマ人への手紙』。
Joseph A. Fitzmyer, Romans, The Anchor Yale Bible 33. など。
 

歴史・思想・文化

 E. 柄谷行人を読む~キリスト教の先を求めて 福嶋 揚 (神学博士、東京大学研究員)
柄谷行人(1941~)は戦後日本を代表し、日本人としては最も世界的な影響力を持つ哲学者にして文芸評論家である。特にその交換様式論は、キリスト教思想史、とりわけ終末論の領域にまったく新たな一ページをもたらした。交換様式論はキリスト教を世界史の構造の中に位置づけ、キリスト教の優越性を剥奪すると同時に、その秘められた最善の可能性を開示したといってよい。

柄谷行人の厖大な著作群は、多様な分野を縦横無尽に移動し、特定の研究対象や学問領域にとどまることが全くない。そこには、人間の意識や意味を超えた「力」、人間を相対化し限界づける「構造」を認識しようとする思考が一貫している。さらにまた、閉ざされた世界の内部からその外部へ超出しようとする一貫した方向性が見られる。その徹底的な唯物論と無神論は、逆説的にもキリスト教信仰と邂逅し、非信仰と信仰のあいだの既存の壁を透過するに至ったのである。

本講座では、柄谷行人の最初期の著作群から最新の著作群に至るまでの、半世紀以上の軌跡を丹念に辿っていきたい。

 1 4月 柄谷行人の「謎」―生涯と思想
 2 5月 初期の文学批評―『思想はいかに可能か』『畏怖する人間』『意味という病』
 3 6月 『マルクスその可能性の中心』
 4 7月 『日本近代文学の起源』
 5 9月 『隠喩としての建築』、『批評とポスト・モダン』、『内省と遡行』
 6 10月 『探求I』、『探求II』、『トランスクリティーク』
 7 11月 交換様式論-『世界史の構造』
 8 12月 3.11以降の展開-『力と交換様式』に至るまで

配信方法:オンデマンド配信 CD提供講座
参考文献(必須ではありません):
柄谷行人の著作群。特にシラバスに挙げた著作。
福嶋揚「柄谷行人と終末論」(『福音と世界』2023年7月号)。
福嶋揚「資本と国家に対抗する共通善」(『日本の神学』2024年)
 

 F. J・S・バッハの「クリスマス・オラトリオ」を聴く 川中子 義勝
                   (東京大学名誉教授、㈳法人日本詩人クラブ顧問、月刊「詩と思想」編集長)
これまで2年間、J・S・バッハのカンタータやモテットを聴きながら、そこに込められた、コラール詩人やバッハ自身の信仰や思想について考えてきた。

ことしは、その延長として「クリスマス・オラトリオ」を聴くことにする。この曲は、いわば6つのカンタータから成り立っている作品で、とりわけ、バッハがそれまでに作った曲を用いつつ、全く新たな表情を与えているという特徴を持つ。そうした点などを考慮、参照しつつ、いわば一年間、降誕節について学んでいくことにする。

8回の講義において、6曲をどう扱うか、他のオラトリオ、カンタータなど他の曲も含めるか、進行の仕方については、その都度考えていく予定。

 1 Weihnachtsoratorium, BWV248  Part 1
 2 Weihnachtsoratorium, BWV248  Part 2
 3 Weihnachtsoratorium, BWV248  Part 3
 4  …
 5 Weihnachtsoratorium, BWV248  Part 4
 6  …
 7 以下、計画中
 8 

対面講義
使用テキスト
 そのつどプリントを配布します。
参考図書:
川中子義勝『ドイツ・コラールの詩人たち――J・S・バッハに耳傾けつつ』教文館、2026年1月7日刊行。
   

原典講読

 G. 旧約聖書原典講読 月本 昭男 (経堂聖書会、立教大学・上智大学名誉教授)
昨年度に引き続き、創世記のアブラハム物語を読み進めます。
今年度は18章9節前後から読みはじめます。

聖書ヘブライ語文法を復習と内容の吟味をしながら、毎回10節前後をめどに読み進めます。

目標は、
① 現行邦訳聖書間にみられる訳文の違いの理由を理解できるようになること
② 日本語にはできない、原典ならではの意味合いを読み取ること
です。 ご自身の翻訳ができれば、さらなる飛躍になりましょう。

なお、ヘブライ文字さえ習得していただければ、誰でもご参加いただけます。

配信方法:ライブ配信 CD提供講座
使用テキスト(各自ご用意ください)
 Biblia Hebraica Stuttgartensiaをご用意ください。Genesisの分冊もあります。
 Biblia Hebraica QuintaのなかのGenesisでも結構です。
参考図書(必須ではありません):
聖書ヘブライ語の文法書として次の2点を紹介します。
小脇光男『聖書ヘブライ語文法 改訂版』(青山社、2021年、3080円)
ハインツ・クルーゼ『旧約聖書ヘブライ語文法書』(キリスト新聞社、2016年、3300円)
詳しい文法書としては次の2点のどちらかをお勧めします。
Gesenius’ Hebrew Grammar, Dover Publications, 2006.
P. Joüon / T. Muraoka, A Grammar of Biblical Hebrew, Gregorian Univ Press; Reprint, 2006. 
 

  H. 新約聖書原典講読 吉田 忍 (明治学院大学専任講師)
新約聖書を原文で読み進めます。
必要に応じて文法事項の確認を行います。
今年度は、「マルコによる福音書」を読みます。

※4月度は、2025年度の学習範囲、「フィリピの信徒への手紙」4章17節~23節を学習してから、「マルコ福音書」を始めます。

配信方法:ライブ配信 CD提供講座
使用テキスト(各自ご用意ください)
 Nestle-Aland, Novum Testamentum Graece, 28. revidierte Aufl. Stuttgart 2012
 ※受講生にはコピーをお渡しします。
参考図書(必須ではありません):
田川建三『新約聖書 訳と註 第一巻 マルコ福音書/マタイ福音書』作品社、2008年
川島貞雄『十字架への道イエス』日本キリスト教団出版局、1996年

言語(通信講座)

 I. ヘブライ語通信講座 宮崎 修二 (立教大学等兼任講師)
文字、発音から少しずつヘブライ語初級文法を学んでいきます。ご要望があれば、音声のファイルなども利用しますが、通信講座という方法では音読の練習は難しいので、文字の書き取りとローマ字音写で、聖書そのものの文章にできるだけ多く触れながら進めていきます。

年間(18回)の講座後半には独自に聖書をヘブライ語で読むことができるレベルを目指しますが、受講者それぞれの進度に対応して、個別にゆっくりしたり、はやくしたりもできると思います。

 ・文字と発音
 ・名詞と冠詞
 ・形容詞
 ・連語形(スミフート)
 ・語根について
 ・動詞 完了形 未完了形 分詞
 ・動詞のバリエーション(ビニヤン)

講座形態:通信講座 郵便による通信添削指導を行います。
          ※受講開始時に、学習要領をお送りします。
教科書 小脇光男『聖書ヘブライ語文法 改訂第2版』青山社
    ※教科書は、各自購入してください。
参考図書(必須ではありません):
山田恵子『古典ヘブライ語』音声DL版、白水社 2025年

 J. ギリシア語通信講座 吉田 忍 (明治学院大学専任講師)
新約聖書ギリシア語の初級文法と基本語彙の習得を目指します(全18回)。
受講生のペースに合わせますが、1年での修了を目指します。

第1回 文字と発音、アクセント
第2回 直説法能動相現在・第一変化名詞・格の意味
第3回 第二変化名詞、第一・二変化形容詞、定冠詞、εἰμί
第4回 第3変化名詞/ 形容詞、人称代名詞、指示代名詞、強意代名詞、前置詞
第5回 πᾶς、直説法中・受動相現在
第6回 母音融合動詞、直説法能動相・中動相未来、εἰμίの未来
第7回 直説法能・中・受動相未完了過去、εἰμίの未完了過去、否定詞、否定疑問文
第8回 直説法能・中動相第一・二アオリスト
第9回 直説法受動相アオリスト・未来、比較
第10回 直説法能・中・受動相現在完了(過去完了)
第11回 能・中・受動相現在分詞、能・中動相未来分詞、εἰμίの現在・未来分詞、分詞の用法(1)
第12回 能・中・受アオリスト分詞、受動相未来分詞、分詞の用法(1続き)
第13回 能・中・受動相現在完了分詞、分詞の用法(1続き)
第14回 分詞の用法(2)
第15回 接続法
第16回 条件文、不定詞
第17回 関係代名詞・不定関係代名詞、命令法
第18回 μι動詞

講座形態:通信講座 郵便による通信添削指導を行います。
          ※受講開始時に、学習要領をお送りします。
教科書 大貫隆『新約聖書ギリシア語入門』岩波書店 2004年
    ※教科書は、各自購入してください。 

 

ゼミ形式

 ゼミ.内村鑑三を読もう 世話人 宮﨑 文彦 (無教会自由が丘集会、千葉大学特任研究員)
                 鷲見 誠一 (無教会新宿集会、慶応義塾大学名誉教授)
昨年は新著である鈴木範久著『内村鑑三問答』を読み、内村の生涯と思想について学んだが、今年は再び内村自身の著作に戻り『ヨブ記講演』を取り上げることとしたい。

輪読ではあるが、担当者を決めることなく、毎回のはじめに一緒に担当の箇所を読み、その後、参加者間で感想を述べあう。

内村の考えを知ることとともに、現代に生きる私たちの日々の生活との関係についても考えたい。 教会・無教会の所属、信者かそうではないかに関係なく、様々な方々に気軽にご参加いただきたい。

 1 第一講  ヨブ記はいかなる書であるか
  第二講  ヨブの平生と彼に臨みし患難
 2 第三講  ヨブの哀哭
  第四講  老友エリパズまず語る
  第五講  ヨブ再び口を啓く
 3 第六講  神学者ビルダデ語る
  第七講  ヨブ仲保者を要求す
 4 第八講  ヨブ愛の神に訴う
  第九講  神智の探求
  第十講  再生の欲求
 5 第十一講 エリパズ再び語る
  第十二講 ヨブ答う 終に仲保者を見る(上)
  第十三講 ヨブ答う 終に仲保者を見る(下)
 6 第十四講 ビルダデ再び語る
  第十五講 ヨブ終に贖主を認む
 7 第十六講 ゾバル再び語る
  第十七講 ヨブの見神(一)
  第十八講 ヨブの見神(二)
  第十九講 ヨブの見神(三)
 8 第二十講 ヨブの見神(四)
  第二十一講 ヨブの終末

配信方法:ライブ配信
※ゼミは、Zoomミーティングによるライブ配信で行います。
今年度は。今井館での会場参加も可能です。
参加費  毎回300円
(お支払方法は、開催時にお知らせします)
使用テキスト(各自ご用意ください)
 内村鑑三著『ヨブ記講演』岩波文庫、2014年

関西で開催される講座のご紹介


 旧約聖書ヘブライ語学習会 主催 木幡 藤子 (大阪聖書研究会、広島大学名誉教授)
ひき続き 「イザヤ書」 を読みます。

開催日      毎月 第1・第3水曜日、10時開始
      ただし7月半ばから9月半ばと3月は休み
受講料      250円/回、受講料の他にZoom 使用料として年間で1200円かかります。
教科書  事前に入手すべき教科書・参考書は、特にありません。
     詳しい文法書である P.Joueon-T.Muraoka, A Grammar of Biblical Hebrewを必要
     に応じて参照します。
     その日の個所に関係する部分を抜き書きしたものを、できるだけ抄訳を付けて前も
     ってメールで送ります。
受講方法 Zoomを使ってオンラインで行います。
     後で録画を視聴することができます。      

問い合わせ・受講申し込みは fkohata@jewel.ocn.ne.jp(木幡(こはた))にご連絡ください。


 新約聖書ギリシア語学習会 主催 香西 信 (岡山聖書集会主宰)
前年度後半に続き「フィリピの信徒への手紙」を読んでいきます。
佐竹明『ピリピ人への手紙』新教出版社、2008年。
岩隈直「希和対訳脚注付新約聖書(9)獄中書簡」山本書店、1975年。
を参照し、丁寧に読み進めます。

開催日      毎月 第1・第3水曜日、13時開始
      ただし7月半ばから9月半ばまで休み
受講料      250円/回、受講料の他にZoom 使用料として年間で1200円かかります。
教科書  大貫隆『新約聖書ギリシア語入門』岩波書店
     その他参考書、辞書などは適宜お伝えします。
受講方法 Zoomを使ってオンラインで行います。
     後で録画を視聴することができます。

問い合わせ・受講申し込みは shinkozai@gmail.com(香西(こうざい))にご連絡ください。


 
  

    




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