無教会研修所


2024年度 講義内容

聖書学  ▶歴史・思想・文化  ▶原典講読  ▶言語  ▶ゼミ  ▶関西

 A. ヨシュア記・士師記を読む 月本 昭男 (経堂聖書会・立教大学名誉教授・上智大学名誉教授)
ヨシュア記は、出エジプトを果たしたイスラエルの民によるカナンの地の獲得の経緯と部族への配分を勇ましく物語ります。

続く士師記は、カナンの地で部族連合体として出発した時代の諸問題を描き出します。

本講義では、両書を読み進めながら、王国成立以前のイスラエルに関わる伝承と史実の諸問題に立ち入ることになりますが、ヨシュア記ではイスラエルとカナン先住民との関係に、士師記では、士師による統治形態の可否、士師に投影された人間理解などに触れてみましょう。
昨年10月7日のハマスによる奇襲攻撃以来、イスラエルによるガザ侵攻が続きますが、旧約聖書をとおして戦争のもつ諸問題を考える機会になれば、とも願っています。

 1 ヨルダン川渡渉とエリコ攻略(ヨシュア記1~6章)
 2 カナン諸都市と諸王の征服(ヨシュア記7~12章)
 3 土地の分配、逃れの町、レビ人の町(ヨシュア記13~22章)
 4 ヨシュアの告別の辞、シェケム契約(ヨシュア記23~24章)
 5 イスラエルとカナン、士師たちの時代(士師記1~2章)
 6 エフド、デボラ、ギデオン(士師記3~8章)
 7 アビメレク、エフタ、サムソン(士師記9~16章)
 8 ダン部族の移動、ベニヤミン部族の醜行(士師記17~21章)
   
配信方法:オンデマンド配信 CD提供講座
使用テキスト(各自ご用意ください)
 聖書(訳は問いません)をお手元において、受講ください。

参考図書(必須ではありません):
とくにもうけませんが、できれば、月本昭男『物語としての旧約聖書』(NHK出版、2024年1月刊行予定)第8章を前もってご覧ください。

 B. モーセ五書の思想について 金井 美彦
          (日本基督教団 砧教会牧師、立教大学・フェリス女学院・聖公会神学院・日本聖書神学校 講師)
旧約聖書の核をなす五書の内容とそこに示されたいくつかの重要な「思想」を取り上げ、それらが私たちの生き方にいかなる意味を持ちうるのかを根本的に考えてみたい。

旧約学の歴史において五書の分析は旧約聖書の伝統的な価値を相対化する歴史であった。かつてモーセによって書かれたとされてきた聖なる文書が、実は古い伝承を基に、その端緒となる出来事から遠く隔たる時代にまとめられた複数の「資料」とよぶべき文書が編集されたものであり、匿名の誰かによる、古代イスラエルの歴史的産物であるとされた。

やがて、前世紀の最後の四半世紀には資料仮説自体が疑われ、実際にはせいぜい伝承の層が認められるという程度であって、文書のパッチワークではなく、複数の編集者によって複雑に編まれた伝承複合体であるとされている。もちろん、例えばヤハウィスト文書(あるいは層)とされる物語群はおよそ析出できるのであり、その時代は王国の存在した時代であろうし、犠牲や祭儀、法律に関する文書は、元来口伝の伝承であったとしても、やはり相当遅い時代に(紀元前6世半ば以降、すなわち捕囚期以降に)文書化されたであろうことは明らかだろう。そのほか、非常に先鋭的で独創的な物語(イサクの奉献、あるいはモーセ伝承への付加的記述など)は古代イスラエルの社会的危機を背景にした問いかけの文書がある(これまでエロヒスト文書と呼ばれてきた単元)。

こうした錯綜した成立過程をたどる際、注視すべきは背後の歴史である。その際重要なのは、書かれている出来事の背景だけでなく、これを最終的に文書化した人々の歴史的背景である。さらに加えれば、政治史に偏らず、広く文化・文明史、人類史的視点に立った歴史を意識することである。

ところで、一般に五書はそれ自体が神の言葉として扱われてきた結果、無用の神聖化がなされてきたため、テキストの前で自由になれない人々がたくさんあり、聖書の言わんとしていることより、聖なる書物=聖典として疑い得ない書物として、ただひたすら記憶し倣うべき規範であるかのようになる。

しかし旧約聖書、なかんずくモーセ五書もまた、誰かの、あるいは何らかの集団の思想を反映した複合体であり、そこには強い傾向性、すなわちイデオロギーがあり、私たちの時代の価値観から容認しえない思想も当然存在する。他方、まったく逆に、私たちの価値観などはるかに超えた、ラディカルな普遍性を併せ持ってもいる(と思う)。要するに、清濁を併せ持つ巨大な「作品」として五書は存在する。

この講座では、五書の思想の多面性に留意しながら、そのラディカルな普遍性、言い換えればこの時代にとっての「希望」を取り出したいと思っている。創世記を中心に、五書全体を見通す講義としたい。

 1 神の被造物としての「世界」
 2 人間と自然-被造物同士の関係
 3 先祖アブラハムの選びについて
 4 人間の自由 十戒・契約の書
 5 ヤハウェの妬み 粛清の思想 出エジプト記・民数記
 6 犠牲を求めるヤハウェ レビ記、民数記
 7 歴史の回顧と展望 申命記
 8 カナン征服の意味
 
配信方法:オンデマンド配信 CD提供講座
使用テキスト(各自ご用意ください)
 聖書(訳は問いません)
       
参考文献(必須ではありません):
K・シュミート『旧約聖書文学史序説』教文館、2013年,『旧約聖書神学』教文館、2023年
関根正雄『聖書の信仰と思想』教文館、1996年
W・ツィンマリ『旧約聖書神学綱要』日本基督教団出版局、2000年
G・フォンラート『旧約聖書神学』日本基督教団出版局、1980年,『旧約聖書神学Ⅱ』日本基督教団出版局、1982年
山我哲雄『海の奇跡 モーセ五書論集』聖公会出版、2012年,『一神教の起源』筑摩書房、2013年,『旧約聖書における自然・歴史・王権』教文館、2022年
M・ヨアシュタッド『旧約聖書と環境倫理』教文館、2023年 等
注解書類については講義内で提示します。
   


 C. ヨハネ福音書の思想と信仰 三浦 望 (聖心会会員 Boston College (research fellow))
ヨハネ福音書(およびヨハネの手紙)について、その神学をテーマごとに解説してゆきたいと思います。
ヨハネ神学のすべてを網羅することはとてもできませんが、重要なテーマを取り上げて考察してゆきたいと思います。

 1 第1回 ヨハネ神学の特徴、方法論
 2 第2回 イエスの物語
 3 第3回 イエスの死
 4 第4回 ヨハネの二元論
 5 第5回 ヨハネにおける「個人」と「共同体」
 6 第6回 現在と未来―ヨハネの終末論
 7 第7回 論争と敵対―「ユダヤ人」
 8 第8回 ヨハネの手紙―福音書との違い、神学の変化

配信方法:オンデマンド配信 CD提供講座
使用テキスト(各自ご用意ください)
 特に教科書はございません。
 ただし、新約聖書(どちらの翻訳でも結構です)は必要となります。
参考文献(必須ではありません):
各テーマごとにお知らせいたします。(英語の参考文献が含まれると思います。)
 

歴史・思想・文化

 Ⅾ. ギリシア古典文学と聖書 瀧 章次 (城西国際大学国際人文学部教授(2024年3月定年退職)
                         日本基督教団霊南坂教会教会員 青山学院大学非常勤講師)
21世紀現代世界の課題を考えるためには、われわれの感情・思考・行動の、常識化した鞏固な枠組みを批判的に根本的に考え直して行かなければならないのではないでしょうか。そのための一つの方法として、迂遠とは見えながらも、聖書とギリシア古典文学に尋ねることを共にわかちあいたいと存じます。

僭越ながら、現代的課題に関わると講義者が考えるテーマを毎回独立に設定しまして、ギリシア古典文学と聖書とから、いくつかの関係テクストを選び、対照しつつ、テクストの解釈を踏まえ、同時代の歴史的意味を考察した上で、将来そして現在の課題を考える手がかりを考えてみたいと思います。また聖書理解にあっては、単なる歴史的対象に留めず、信仰者の信仰の立場に立つ、内在的な視点からの接近も試みたいと思います。

テーマとして、「自己保存的生存欲求(飢え、渇き)の倫理」、「人類万物共同所有の理念」、「人権(人間の権利)あるいは自然法」、「モノローグ(神命(律法)、説教、演説)とダイアローグ(対話)」、「政治的集団的意思決定の正当性と正統性―神命、布令、籤、投票、挙手、熟議」、「単独者支配制(神裁制、王制)と多数者自治制」、「ロゴスによる世界現成」、「神による再帰的自己規定」を取りあげます。テーマは先行研究遺産全体を正規に顧みるには所定の時間に収まらないものではありますが、なお、人類の現在の課題にとって、聖書もギリシア古典文学もアクチュアルな「声」としてわれわれの現前に立ちあがってくることを示すことに、注力いたしたく存じます。

 1 「自己保存的生存欲求(飢え、渇き)の倫理」
自己保存的生存欲求(飢え、渇き、睡眠、呼吸等)の充足を追求することの倫理性は、近代の例えば18世紀初頭、市場経済濫觴期、マンデヴィルに見る欲求の解放や20世紀以降の消費社会(1920年代GMによるmodeの創出以降)と対比して、伝統社会、特に古代ギリシア、ユダヤ教、キリスト教において、どのように理解されていたか、また、その理解は、グローバル資本主義がもたらす現代的危機において、今なおいかなる有効性を持っているかを考える。

 2 「人類万物共同所有の理念」
17世紀、自然権論者、グロティウス、ロック、プーフェンドルフが創世記に見た人類万物共同所有態は、古代ギリシア、原始キリスト教においてどのように展開されたものであるのか、顧みた上で、19世紀以降、共産主義思想にそのような影響を及ぼし、将来に向けていかなる有効性を有するものと言えるのかを考える。

 3 「人権(人間の権利)あるいは自然法」
自然権としての前国家的、前憲法的存立態としての「人間の権利」といえば、20世紀なかば、国際連合設立、世界人権宣言と共に広まったことがらで、どんなにさかのぼっても、17世紀のロックに留まると思われる思想であるところ、ロック自身創世記の人間の創造に根拠を置くように(『市民統治二論』2.6)、本講では、前近代社会に踏み入って、普遍的法則・立法(lex naturae; νόμος φύσεως)という思想の系譜をたどることを試みる。
その下で、例えば、神の前に立つとき、死すべき存在としてひとしなみの人間に現前する「正義」の観念(ソポクレス『アンティゴネー』)が、近代国家を超えていかなる有効性を持っているかを考える。また、イエス・キリストのことば(例えば、『トマスによる福音書』22; ガラテヤの信徒への手紙 3:26-28 (参考:山口里子(2023)「イエスを信じる者の生き方は―ジェンダーの視点から聖書を読む」『信徒の友』915 (2023.1) 20-23))は現代社会にとって、どのような灯であるのかをも考えてみたい。

 4 「モノローグ(神命(律法)、説教、演説)とダイアローグ(対話)」
神の言語行為である神命(律法、自然法)も、人間の演説や対話(歴史家の記録する演説、哲学的対話、パウロの言論活動)も、いずれも相互置換可能性を前提とする言語そのものに媒介されて現れる。これらに関する古代のテクストにおける描写を基に、その言語的実践的構造を考察することを通じて、ディアレクティケー(対話術、弁証法)の有する有効性を考える。

 5 「政治的集団的意思決定の正当性と正統性―神命、布令、籤、投票、挙手、熟議」 スウェーデン、イェテボリ大学 V-Dem研究所、年次報告によれば、2022年、実質的民主主義が生きている国で暮らす人の割合は世界総人口中、少数者に転落しているという。古代ギリシア、古代イスラエル社会における政治的集団的意思決定の歴史的記述を改めて真摯に見直す時、身近な社会関係における「われわれ」という協働的倫理主体形成の実践的練習にとって、いま何を教えてくれるかを考える。

 6 「単独者支配制(神裁制、王制)と多数者自治制」
古代における王制(単独者支配制)と民衆支配による共和制の諸実態や、古典ギリシア文学における、歴史家、哲学者たちによるそれらの比較論について、その意義を顧みてみる時に、現代の世界共和的グローバル世界の帰趨にいかなる参照軸が得られるかを考える。

 7 「ロゴスによる世界現成」
文字通り、近代科学あるいは学知における世界記述方式とも言い換えられるこの理念型は、第3講における普遍的法則・立法(lex naturae; nomos phuseos (νόμος φύσεως))の系譜にも連なるもので、古代ギリシア、キリスト教にどのように生成し(プラトン『ティマイオス』、創世記第1章、詩編33(32):6,9、ヨハネによる福音書 1:1-3等)、現代に至るまで展開してきているのか、そして、それは今でも、現代科学、学知一般において、なお有効なものと言えるのかを考える。

 8 「神による再帰的自己規定」
経験的感覚世界に人間と同型的に臨在する神々の世界(擬人的多神教世界)に対して、存在を本質とする超経験的存在としての「神」の存立を示す神の自己陳述はいかなる事の存立、いかなる現実性であるのか、古代に伝えられるその表現の様相を通して(例えば、出エジプト記 3:14、ヨハネによる福音書ほか、ギリシア語 ego eimi (ἐγὼ εἰμι) (=「私はある/いる」、「私がそれである」(cf. 『チャーンドーギヤ・ウパニシャッド』6.8.7「汝はそれである」))、アフリカ東海岸出立以来10余万年、homo sapiens sapiensにとっての、言語を媒介とした世界の存立構造を考える。

配信方法:オンデマンド配信 CD提供講座
使用テキスト
 特にありません。事前に各テーマごとに扱うテクスト箇所を提示して行きます。

 E. 破局のなかの希望~資本新世の倫理・経済・宗教 福嶋 揚
                           (神学博士、東京大学大学院・日本聖書神学校 兼任講師)
今日のグローバル化した世界は、三重のカタストロフィに直面している。それは、第一に気候変動に象徴される地球生態系の崩壊、第二に貧困の拡大(貧富格差の極大化)、第三に世界規模の戦争である。

これらの混沌として複合的な事象の奥底を探っていくと、あくなき経済成長と軍事力の拡大を求めてやまない国民国家同士の覇権争いという根本的原因が見えてくる。このシステムは近代に確立されたものだが、それが今や限界に達しつつあるのだ。

このシステムを「軍産複合体」と言いかえてもよい。この複合体の原型は、実は遠い古代世界に現われた諸帝国においてすでに見出される。そして、そのような古代帝国の暴力的な支配に対する一種の対抗運動、いわば人間性の変革として、世界各地―中国、インド、中近東、ギリシャ―に現われたのが、今日にまで続く伝統的な宗教思想だった。哲学者ヤスパースはそれを「枢軸時代」と名づけた。

けれども宗教は、その後に国教化して帝国宗教となると、もはや対抗運動ではなくなってしまう。とりわけ近代以降、北大西洋地域のキリスト教文明は、果てしない経済成長と覇権争いによって、生態系破壊に象徴される地球規模の危機の原因となった。西欧キリスト教文明は、今まさにそのようなグローバルサウスからの告発に直面している。

経済、宗教、道徳がからまりあった危機に直面する現代において、それらの垣根を超えるような大きな視座が必要となる。とりわけ軍事力とも金(マネー)の力とも異なった理念と実践こそが必要不可欠となる。そればかりか、既存の社会システムの崩壊、すなわち経済成長を続ける国民国家というシステムの終焉を予期しつつ、その先に地球生態系が共に生き延びる希望を描くという、きわめて困難な課題が待ち受けている。

この講座では、倫理学とキリスト教の研究者の視点から、以上のような複合的で越境的な問題にとりくむことにしたい。

 1 序論―今日の危機の根底に何があるのか
 2 資本主義という名の宗教的現象~その誕生、発展、爛熟
 3 「枢軸時代」の研究史と現代的意義
 4 金と宗教~宗教改革と資本主義
 5 金と神~マルクスと聖書
 6 グローバル資本主義と人新世の危機
 7 資本主義を脱魔術化するために~脱成長、コモンズ
 8 終章―破局のなかの希望

配信方法:オンデマンド配信 CD提供講座
参考文献(必須ではありません):
ベンヤミン「宗教としての資本主義」、『ベンヤミン・コレクション7』、ちくま学芸文庫
ウェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』、岩波文庫
マルクス『資本論』、岩波文庫
ヤスパース『歴史の起源と目標』、河出書房新社
トーニー『宗教と資本主義の興隆』、岩波文庫
教皇フランシスコ『回勅ラウダート・シ』、カトリック中央協議会
柄谷行人『力と交換様式』、岩波書店
斎藤幸平『マルクス解体』、講談社
 

 F. バッハとコラール ー「ドイツ・コラール」の言葉と音楽をたどってー 川中子 義勝
                                           (東京大学名誉教授)
マルティン・ルターにおける「ドイツ・コラール」の成立から、三十年戦争期を経てバッハに至るまでの讃美歌(「コラール」)の系譜をたどる。併せて、ルター以降の信仰や敬虔の歴史的変遷にもふれていく。

ルターをはじめ、フィリップ・ニコライやヨハン・ヘールマン、ヨハン・リスト、ヨハン・フランク、パウル・ゲルハルトなどの信仰詩が、作曲家に曲を付されることによって民衆のうちに深く根をはり、その生活と経験の実践を定めるに至る過程を、主としてバッハのカンタータやモテット作品などを用いて跡づけてゆく。

 1 4月 M・ルター/ Aus tiefer Not schrei ich zu dir BWV38
 2 5月 J・グラマン/ Singet dem Herr nein neues Lied BWV225
 3 6月 A・ロイスナー/ Gottes Zeit ist die allerbeste Zeit BWV106
 4 7月 Ph・ニコライ/Wie schön leuchtet der Morgenstern BWV1
 5 9月 J・ヘールマン/ Ein ungefärbt Gemüte BWV24
 6 10月 J・リスト/ Jesu, der du meine Seele BWV78
 7 11月 J・フランク/ Jesu, meine Freude BWV227
 8 12月 J・ネアンダー/Lobe den Herren, den mächtigen König BWV137

対面講義
使用テキスト
 特に用いない。テクストはプリントを配布する。
 曲のテクストはドイツ語であるが、日本語対訳を用意する。   

原典講読

 G. 旧約聖書原典講読 月本 昭男 (経堂聖書会・立教大学名誉教授・上智大学名誉教授)
2023年度に引き続き、創世記のアブラハム物語を読み進めます。今年度は創世記13章1節から読みはじめます。
聖書ヘブライ語文法を復習しながら、毎回10節前後をめどに読み進めます。

目標は、
① 現行邦訳聖書間にみられる訳文の違いの理由を理解できるようになること
② 翻訳聖書に反映することが難しい、原典ならではの意味合いを読み取ること
ですが、ご自身の翻訳ができれば、さらなる飛躍になりましょう。

なお、ヘブライ文字さえ習得していただければ、誰でもご参加いただけます。

配信方法:ライブ配信 CD提供講座
使用テキスト(各自ご用意ください)
 Biblia Hebraica StuttgartensiaのGenesis(分冊もあります)をご用意ください。
 Biblia Hebraica QuintaのGenesisでも結構です。
参考図書(必須ではありません):
聖書ヘブライ語の文法書として次の2点を紹介します。
小脇光男『聖書ヘブライ語文法 改訂版』(青山社、2021年、3080円)
ハインツ・クルーゼ『旧約聖書ヘブライ語文法書』(キリスト新聞社、2016年、3300円)
詳しい文法書としては次の2点のどちらかをお勧めします。
Gesenius’ Hebrew Grammar, Dover Publications, 2006.
P. Joüon / T. Muraoka, A Grammar of Biblical Hebrew, 2006.
 

  H. 新約聖書原典講読 吉田 忍 (農村伝道神学校・関東神学ゼミナールなどで非常勤講師)
新約聖書を原文で読み進めます。
必要に応じて文法事項の確認を行います。
今年度は、引き続き「フィリピの信徒への手紙」を読みます。
2024年度は、フィリピの信徒への手紙1章15節から始めます。

配信方法:ライブ配信 CD提供講座
使用テキスト(各自ご用意ください)
 Nestle-Aland, Novum Testamentum Graece, 28. revidierte Aufl. Stuttgart 2012
参考図書(必須ではありません):
佐竹明『ピリピ人への手紙』新教出版社、1969年
山内真『ピリピ人への手紙』日本基督教団出版局、1987年

言語(通信講座)

 I. ギリシア語通信講座 吉田 忍 (農村伝道神学校・関東神学ゼミナールなどで非常勤講師)
新約聖書ギリシア語の初級文法と基本語彙の習得を目指す(全18回)。

第1回 文字と発音、アクセント
第2回 直説法能動相現在・第一変化名詞・格の意味
第3回 第二変化名詞、第一・二変化形容詞、定冠詞、εἰμί
第4回 第3変化名詞/ 形容詞、人称代名詞、指示代名詞、強意代名詞、前置詞
第5回 πᾶς、直説法中・受動相現在
第6回 母音融合動詞、直説法能動相・中動相未来、εἰμίの未来
第7回 直説法能・中・受動相未完了過去、εἰμίの未完了過去、否定詞、否定疑問文
第8回 直説法能・中動相第一・二アオリスト
第9回 直説法受動相アオリスト・未来、比較
第10回 直説法能・中・受動相現在完了(過去完了)
第11回 能・中・受動相現在分詞、能・中動相未来分詞、εἰμίの現在・未来分詞、分詞の用法(1)
第12回 能・中・受アオリスト分詞、受動相未来分詞、分詞の用法(1続き)
第13回 能・中・受動相現在完了分詞、分詞の用法(1続き)
第14回 分詞の用法(2)
第15回 接続法
第16回 条件文、不定詞
第17回 関係代名詞・不定関係代名詞、命令法
第18回 μι動詞

講座形態:通信講座 月1回の郵便による通信添削指導を行います。
          ※受講開始時に、学習要領をお送りします。
教科書 大貫隆『新約聖書ギリシア語入門』岩波書店 2004年
    ※教科書は、各自購入してください。 

 

ゼミ形式

 ゼミ.内村鑑三を読もう 世話人 宮﨑 文彦 (無教会自由が丘集会・千葉大学特任研究員)
                 鷲見 誠一 (無教会新宿集会・慶応義塾大学名誉教授)
内村鑑三の『宗教座談』を読む。
毎回担当者を決め、担当者が内容を要約、解説し、その後、参加者間で感想を述べあう。
内村の考えを知ることとともに、現代に生ける私たちの日々の生活との関係についても考えたい。
教会・無教会の所属、信者かそうではないかに関係なく、気軽に様々な方々にご参加いただければと考えている。

 1 4月 「第二回 真理の事」
 2 5月 「第三回 聖書の事」
 3 6月 「第四回 祈禱の事」
 4 7月 「第五回 奇蹟の事」
 5 9月 「第六回 霊魂の事」
 6 10月 「第七回 復活の事」
 7 11月 「第八回 永生の事」
 8 12月 「第九回・第十回 天国の事(上)(下)」

配信方法:ライブ配信 参加費 毎回300円(お支払方法は、開催時にお知らせします)
使用テキスト(各自ご用意ください)
 内村鑑三著『宗教座談』岩波文庫、2014年
(現在品切れのため、電子書籍もしくは古本等での入手となる)

関西で開催される講座のご紹介


 旧約聖書ヘブライ語学習会 主催 木幡 藤子 (大阪聖書研究会・広島大学名誉教授)
ひき続き 「イザヤ書」 を読みます。

開催日      毎月 第1・第3水曜日、10時開始
      ただし7月半ばから9月半ばまで休み
受講料      250円/回
教科書  事前に入手すべき教科書・参考書は、特にありません。
     詳しい文法書である P.Joueon-T.Muraoka, A Grammar of Biblical Hebrewを必要
     に応じて参照します。
     その日の個所に関係する部分を抜き書きしたものを、できるだけ部分訳を付けて
     前もってメールで送付します。
学習方法 Skype使用によるオンラインで行います。。
     Skypeが使用できるよう、できるだけ各自で準備してください。
     なお、オンライン学習会は録画し、30日間それを視聴することができます。

問い合わせ・受講申し込みは fkohata@jewel.ocn.ne.jp(木幡(こはた))にご連絡ください。


 新約聖書ギリシア語学習会 主催 香西 信 (岡山聖書集会主宰・京都大学大学院博士課程認定退学)
前年度に引き続き、「ガラテヤの信徒へ手紙」を読みます。
佐竹明『ガラテヤ人への手紙』新教出版社、2008年、川島重成『原典講読ガラテヤ人への手紙』キリスト教夜間講座、1973年を参照し、丁寧に読み進めます。

開催日      毎月 第1・第3水曜日、13時開始
      ただし7月半ばから9月半ばまで休み
受講料      250円/回
教科書  大貫隆『新約聖書ギリシア語入門』岩波書店を参考書として使いますので、予め購入
     しておいてください。
学習方法 Skype使用によるオンラインで行います。。
     Skypeが使用できるよう、できるだけ各自で準備してください。
     なお、オンライン学習会は録画し、30日間それを視聴することができます。

問い合わせ・受講申し込みは shinkozai@gmail.com(香西(こうざい))にご連絡ください。


 
  

    




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